アンケートでご要望をいただいたので、簡単ではありますが演奏会時に使用した曲紹介をこちらで共有します。
多少、実際に話したのとは違うところもありますが、ご参考まで。。。
【風紋】
約40年前の1987年全日本吹奏楽コンクール課題曲でありながら、人気投票などがあれば必ずと言っていいほど上位に入ってくる、保科洋(ほしなひろし)作曲の「風紋」(ふうもん)をお送り致しました。
【さくらのうた】
福田洋介作曲の「さくらのうた」をお送り致します。
この曲は、2012年の全日本吹奏楽コンクールの課題曲として作曲されました。
この「さくらのうた」は、現在は押しも押されぬ人気曲ですが、フレーズやバランスがシンプルで、演奏者に大きな自由度を期待している部分が逆に難しかったのか、その証拠に当時の全日本吹奏楽コンクールの全国大会高校の部では、30団体弱有る中でこの課題曲を選んだ学校は1校だけであったという逸話が残っているほどです。
桜の華やかさ、美しさが表現されている一方、儚さもまた桜の一面であることが表現されています。
作曲者は、「桜を愛でながら思いを馳せるその心が人によってまったく違うのと同じように、音楽のしなやかな変化を信じて、自分達だけの”さくらのうた”を演じていただけたら嬉しいです」というコメントをしています。
【涙のトッカータ】
「涙のトッカータ」は、ガストン・ローラン作曲のインストゥルメンタル曲で、ポール・モーリアが1973年に録音・発表して日本でも広く知られています。
この曲は、引退したガストン・ローランからレコーディングの正式許諾を得て編曲し、1973年に発表したものです。
この曲を演奏する際は、ポールモーリア自身がピアノを演奏することが多く、彼自身かなりお気に入りの曲だったようです。
【ポール・モーリア・メドレー】
ポール・モーリアの作品は、先ほどの「涙のトッカータ」だけではなく数多くの作品が有ります。
その中の有名な曲のいくつかを、当団音楽監督の田島篤がオカリナ用に編曲しているのですが、それをさらに吹奏楽用に編曲したものを3曲続けてお送り致します。
1曲目の「恋は水色」は、ポール・モーリアの名を世界的なものにした初期の定番曲で、ヒットの秘密はチェンバロの音色でした。
この曲の元となったのは、ヴィッキー・レアンドロスが歌ったLove Is Blueですが、この曲の持つアンニュイさもヒットの要因であったようです。
2曲目の「ふたりの天使」は、 サン・プルー (Saint Preux) が1969年に作った曲で、原題は「ひとつの声のための協奏曲」 というものでした。
この曲がいったん完成したときは、メロディをトランペットで演奏するアレンジでしたが、ダニエル・リカーリの歌声に耳を奪われたサン・プルーが彼女のボカリーズという、歌詞を伴わず母音のみによって歌う歌唱法にアレンジしなおしたという話が残っています。
テレビのBGMとして今なお頻繁に使用されていますが、原曲が存在することに驚く方もいらっしゃるかもしれません。
3曲目の「オリーブの首飾り」は、1970年代ヨーロッパでヒットしたというディスコナンバーで、「ビンボ・ジェット」というバンドが演奏しました、「エル・ビンボ」がもととなっています。
日本の発表当時につけた邦題は、嘆きのビンボー。
それをポールモーリアがムードミュージック風にアレンジし、発表する前に縁起が悪い名前よりはと「オリーブの首飾り」という名前にしたそうです。
今では手品やマジックのイメージも強く、耳にしたことがない人はいないほどの知名度となった曲です。
ポールモーリアはアレンジの天才ですね
【エーゲ海の真珠】
「エーゲ海の真珠」は、ポール・モーリアの友人であるスペイン人作曲家アウグスト・アルグエロの作品をアレンジしたもので、原題はギリシャ神話に登場する美女を指す「ペネロペ」となっています。
原曲は、列車のホームで恋人の帰りを待ち続ける女性を描写しています。
「待つこと」そのものが物語の主題であり、また「時間は人を変えていくものだ」ということも表現しているようです。
ギリシャ神話で、王の帰りを20年待った忍耐強い女性である「ペネロペ」が曲名となったのもうなづけます。
一方、「エーゲ海の真珠」という邦題ではありますが、どうやら原曲の歌詞中には「エーゲ海」も「真珠」も存在しないようです。
しかし、曲を聴いていると、ギリシャの断崖絶壁に広がる真っ白い建物と、真っ青に美しく輝くエーゲ海が見えてくるような気がするから不思議なものです。
この邦題を付けるとき、ギリシア神話とちょっと結び付けてペネロペからエーゲ海を連想したのだと想像できるところも面白いところです。
【カレイドスコープ】
この曲は、スイスのブルックという町の音楽協会の依頼で2003年に作曲されました。
ベルギー北部にある伝統的な歌「Brugger Lied(ブルッゲの歌)」に基づいた5つの変奏曲からなる作品です。
曲のモチーフとなっている「カレイドスコープ」そのものは、1816年にスコットランドのデビッド ・ブリュースターという物理学者が灯台の光をより遠くまで届かせるために鏡の組み合わせを工夫している最中に発見し、それを元に開発をし作られました。
また、「カレイドスコープ」という単語は、開発後特許を申請した時の名称であり、ギリシャ語で、”Kalos(カロス)”=美しい、 ”Eidos(エイドス)”=模様、”Skopos(スコポス)”=見るもの の3語を合わせた造語なのだそうです。
カレイドスコープを和訳すると「万華鏡」となるように、まさにこの曲は目まぐるしく動きを見せます。
同じ楽器でも、全く異なるフレーズを演奏をしていたり、また、それぞれの変奏曲もまったく違った顔を見せており、音の強弱、テンポを含めて一見慌ただしいように思えてしまう曲です。
しかし、外から眺めていると不思議と綺麗な模様が織りなされている・・・
どうも、この曲は毎日・毎回演奏毎に違う顔を見せながらも、不思議と魅力を持っている稀有な曲であるようです。
【交響詩『前奏曲』】
「人間の生は、死への前奏曲である。無垢な愛は嵐によってさえぎられ、傷ついた魂は静かな田園において癒しを求める。しかし人は、自らのために戦いへと立ち上がるのである」
リストの深い人生観、そして死生観を反映した、人間ドラマの縮図のようです。